とんがり帽子のメモル ファンページ

 


公式チャンネルにて1話公開中

どんな物語なの?

スイスとフランスの国境近くの架空の小さな町、ベルヌ村から物語はスタートします。ある日、このベルヌ村にリルル星の246名の宇宙船が宇宙旅行中に事故により地球に不時着し、この村の人里はなれた静かな場所にリル・リルル村を作り、リルル星人たちは静かに過ごすことになります。
ベルヌ村の森の奥深く、人間もまれにしか訪れないひっそりとした周囲4km程の小さな湖。この湖の真ん中にある小さな島。ここがリルル星人が住んでいる小さなリルル村です。リルル星人は人間の10分の1の大きさとはるかに小さい大きさなんです。そのリルル星人の中でも無邪気に元気いっぱい遊びまわる赤い帽子がトレードマークの少女がいます。この少女こそこの物語の主人公、メモルなんです。このメモルが、地球に不時着してから1年後、人間と出会う日がやってくるのです。


ある日、メモルが小鳥の母親を探している時、森の中から綺麗な音色が聞こえてきます。この時メモルは人間(少女)というものに初めて出会うことになります。この時出会った少女こそ、後にメモルのよき親友ともなる、マリエルだったのです。彼女は周囲から束縛され、病気の体、両親との別居という孤独感にさいなまていました。病弱な14歳の彼女にとって、家族や友情というのはまさ必要不可欠なもの。彼女はそれさえも与えられず将来の人生に何の明るさも見出せずにいたまさに「不幸」なお嬢様だったのです。このつらさに耐えかねて一度は死も覚悟した彼女でしたが、メモルと出会うことにより、大切な友情と言うものを得、徐々に明るさを取り戻していくのです。宇宙人であるメモルのことを、マリエルは決して宇宙人だというように受け入れずに、一人の大切な友達として接しています。こうして、マリエルとの間に繰り広げられる友情物語が始まります。この作品にはたくさんスリル、感動、友情というのがたくさんつまっているのですが、とりわけ、この作品の主なテーマであるメモルとマリエルの友情物語が大部分をしめています

この作品の素晴らしさ

先に述べたましたように、この作品は地球に不時着した小さな体のリルル星人と、地球の少女マリエルとの心のふれあいを描いた友情物語なんです。一見低年齢向けの感じもしますが、どの世相の人間も見ていて感動できる、決して低年齢向きとはいえない素晴らしい作風に仕上がっています。リルル村でのリルル星人同士の生活風景は、周囲の人間の子供達とそんなに違和感がない視点から描かれていて、ものすごく明るくお転婆な少年少女の姿が描かれています。最初のうちは特に、物静かで希望も失っている状態のマリエルだけを描いていたのではどうしても物語全体が暗い感じになってきます。「静」がメインとなるとんがり帽子のメモルの物語の中で、リルル村での生活風景描写はほとんどがにぎやかな感じになっていて、重苦しい空気を取っ払う等のバランスのいい効果をもたらしています。そういう意味ではとんがり帽子のメモルの物語描写のうまさが感じられる部分でもあるのです。


あと、「とんがり帽子のメモル」といえば「ピアノ」といわれるほど、この物語で重要なテーマとなるのが「ピアノ」の存在です。とにかく、この物語はがピアノがよく利用されています。それはBGM効果もあり、感動シーンの引き立て役としてもうまく使用されています。特にマリエルたちが音楽学校に通っているということもあり、生活と物語のバランスをうまく引き立てています。また、マリエルたちが弾く曲にはクラシック系のピアノ曲がよく利用されていますのでピアノを習っている人にはなじみの曲が結構出てくると思います。まさに「ピアノ」の存在が「とんがり帽子のメモル」をより一層優しい雰囲気をかもし出しているのかもしれません。


物語の背景・風景ですが、まずは水彩画的な色彩で風景が彩られているのが特徴。明るさや最近のアニメーションではよくある、きつめ・濃淡の激しい色彩というものは使っていないので、背景もものすごくクラシカルな落ち着きのある色彩なので見ていて優しく静かなまさにこの物語に調和した風景となっています。特に、先に述べたような水彩画調を主流とした背景はものすごく幻想的な雰囲気に仕上がっていますし、そういう意味では物語の効果を一層引き立つ役目も果たしています。物語がフランス・スイスというのが舞台ですので、背景等は西欧風なつくりになっています。


最後に、この物語は「少女マリエルの自立・成長」というのもひとつのテーマのように思います。マリエルという少女は、ものすごく弱弱しいイメージがあるようにとらえられがちですが、メモルと出会うことにより、しっかりした女の子に育っていきます。いつも周囲からの圧力から逃げてばかりいた彼女が、しっかりとした意思を持ち、物語が進んでいくうちにマリエルが自立し、成長し、最初と違う強さがみられます。マリエルは、こういったより多くの人に親しまれているのも事実で、タイトル上は主人公はメモルですが、真のヒロインはこのマリエルなのかもしれません。