KanonFC
概要
ソフトハウスKEYがつくった1999年1月から約1ケ月間、雪の町で繰り広げられるノベルズ系恋愛アドベンチャーゲーム。5人のキャラクターをとハッピーエンドを迎えるのだが、各々のクライマックスが素晴らしく感動的に仕上がっていて、多くの支持を受けファンも多い。9月14日にDC版が発売されその人気度はますます上昇気流にあった。
今では名実ともに有名なアニメ会社に成長した京都アニメーションが手掛けた作品でもある。
今では名実ともに有名なアニメ会社に成長した京都アニメーションが手掛けた作品でもある。
感動要素を重視した恋愛シュミレーションゲームの先駆け的存在
もともと「Kanon」は18禁というゲームである。しかし、18禁から多くの声で18禁部分を削除し全年齢対象版・DCやPS2版。更にアニメ化を遂げるという当時としては珍しいケースであった。これはやはり、スタッフの方々の尽力はもちろんである。しかし、物語としても素晴らしく、一回やれば誰でもよかったと思えるゲームであることが最大の強みである。もう一つはアクション系以外のどんなジャンル好みの方でも素直に受け入れられるということ。(ギャグが好きな方、感動したい方など)他にも支持される内容として下のような人気の秘訣(ひけつ)がある。
それぞれゲームながら5人のストーリー性がしっかりとした構成になっていて、選択肢を素直に選べば5冊の完結型恋愛小説を読んでいる感じになる。
「少女マンガ」の要素が含まれている(ギャグが多いながらもその中で振り向いてくれる人を待ったり、葛藤に悩んだり、けんかしたりしながら恋に一生懸命な明るい女の子達を描いている。)
それぞれゲームながら5人のストーリー性がしっかりとした構成になっていて、選択肢を素直に選べば5冊の完結型恋愛小説を読んでいる感じになる。
「少女マンガ」の要素が含まれている(ギャグが多いながらもその中で振り向いてくれる人を待ったり、葛藤に悩んだり、けんかしたりしながら恋に一生懸命な明るい女の子達を描いている。)
- 幼い頃の大切な思い出
- 難病との闘い
- 親や兄弟の絆・大切さ
- 人生や生命の大切さについて考えさせられる
- 女の子の強さ(力ではなく人間として)
- 学校生活を舞台にした物語
- そしてこの物語のテーマでもある「奇跡」
大まかにいえばこの7点である。すべてのキャラが全項目に含まれてはいなくて、いろいろの項目がまざりあいながら一つの物語を形成している。
物語
主人公相沢祐一は高校2年生。年が明けて間もないある日、両親の都合で雪の降る町へ1人で移り住むことになる。その祐一が居候する先が主人公のいとこの水瀬名雪(みなせなゆき)の家である。クラスは幸運にもこの名雪と同じクラスになり、同じクラスメイトの美坂香里(みさかかおり)や北川潤(きたがわじゅん)らと友人になる。一見何の不都合もない転校風景であるが、実は7年前まで祐一はこの街によく遊びに来ていたのだが、7年前の記憶がぷっつりと途切れ、逆に祐一にはこの街へ来ること自体かなりの抵抗感があったのである。こういう出だしから「Kanon」はスタートする。
月宮あゆストーリー
世間一般であゆあゆといえば浜崎あゆみさんが有名だが、それより以前にKanon仲間からはあゆあゆのニックネームをもち親しまれたKanonのヒロイン的存在。怒ったり笑ったり喜怒哀楽が激しい女の子で「うぐぅ」や自分のことを「ボク」というなど強烈な個性を発揮し、また、ギャグ的な出だしから想像もつかない涙を誘う感動的な結末で「このクライマックスシーン見てを泣かない人なんているのだろうか」という人がいたくらい強烈な印象を与えた。
ストーリーであるが、名雪と祐一はこの街へ引っ越してきた日、商店街へ買い物に出かける。名雪が買い物をする間待っていた祐一に向こうの方から祐一めがけて突進してくる少女がいた。少女はたい焼き屋に追われていると言い、その後、この少女からたい焼きを買ったがお金を持っていなかったため逃げてきたのであり、決して食い逃げではないと主張する。二人は自己紹介をしあい、彼女が月宮あゆということが分かる。しかし、あゆが祐一の名前を聞いたとき「帰ってきてくれたんだね。7年前にボクと交わした約束、守ってくれたんだね。」と言われる。後日、商店街で出会った2人は、あゆはたい焼き屋さんにちゃんとお金を払い仲直りをしたことを祐一に告げる。その後もよく商店街で2人は会うが、あゆは祐一と別の学校に通っていて商店街にいるのは、落し物を探しているからだという。しかし、その落し物が何なのか分からないが、とても大切なものであることには違いないと言う。祐一はその探し物に付き合うことになる。その後、あゆはいとこの名雪とも友達になり、ある日名雪から家に泊まりにおいでよという。最初は戸惑いを見せるあゆだが承諾する。名雪が朝練で早く登校したためあゆと2人で朝食をとることになったが、名雪の母親の秋子さんが起きてこない。秋子さんが風邪をひいて寝ているのにかなり取り乱したあゆは必死で秋子の看病をする。その看病のかいがあって秋子さんはすっかり元気を取り戻した。安心して家に戻るというあゆ。見送る祐一にあゆは自分が目の前で大切な人を失ったことを告げ、もうこんな体験2度とするのは嫌だと告げる。
その後祐一とあゆは探しものを続けるがいっこうに見つからない。そんな中で祐一は夢の中で幼い日々のあゆとの出会いを徐々に思い出していく。しかし、2人とも気づかなかった。2人とも夢の中から抜けきれていないことを…。
ある日、あゆから彼女の通う学校に行こうと祐一を誘った。最初は喜びながら元気にあゆが行くのは森の中。祐一行く途中で「こんな中に学校があるのだろうか。」とあゆに聞くと、だんだんあゆの元気な表情があせりの色になっていきながらも「絶対あるもん。」というばかりだった。そしてようやくたどりついた場所は1本の切り株の前である。呆然としたあゆは「そんなのウソだよ。ボク、ここにいるよ。」と泣き崩れる。そして、「探し物をしなきゃ。」と慌てて走り出す。何のことだかわからない祐一は、あゆを追いかける。しばらくあゆと探し物をしていたが結局今日の収穫もなかった。あゆはいつもの元気な表情がなく、「ボク、もう祐一君に会えないと思うんだ。」という言葉を残して祐一の前からいなくなる。実は、このあゆの探している探し物は祐一とあゆの2人にとってとても思い出のある大切なものであることが分かるのであるが…。
美坂栞ストーリー
栞は名雪や祐一のクラスメイト兼友人である美坂香里の1歳下の小柄な妹である。病弱でありながら真面目でしっかりした努力家。常に前向きで一生懸命。辛いときにも決して弱音をはかない健気で強い精神の女の子。しかも膨大な夢とドラマが大好きな女の子でありながら、本当の栞の願いは「誰でも当たり前なことで願わないようなほんのささいな夢」。この性格やストーリーからファンが多くしおりすとと呼ばれるファンも出来るほど。また物語はベタベタのラブストーリー仕立てのようであるが、実はそうでなく、むしろ姉妹の絆や栞の一生懸命今を生きていこうとする強い女の子を描いた物語でもある。
さて。物語であるが、転校してまもなく、この街で月宮あゆという少女と再会した後、このあゆと祐一は見慣れない並木道に迷い込む。この並木道で栞は祐一と出会う。しかし、この少女は最初に出会ったときはなにかおびえたように見え、あまり彼女としゃべることなくこの日は別れた。翌日の授業中、祐一は校舎の外で何時間も動かずじっとしている私服の女の子を見つけた。この少女が昨日の少女(つまり栞)だと気づいた祐一は休けい時間になって彼女に何をしているのか聞く。すると、栞はこの学校の生徒で風邪をひいてしばらく学校を休んでおり、今日はある人物に会うためだと言う。栞はこの日以降毎日のように学校へ現れ、最初に会ったあのおびえた表情とは違った明るいふるまいをみせるようになる。栞の昼の弁当は決まって「バニラアイスクリーム」のみ(注:今は雪の降る冬である)。祐一は驚きながらも毎日栞と校庭で昼食を食べるのが日課となっていた。
ある日、栞と友人の香里と名字が同じことに気づき、聞いてみたところ、栞は「香里は確かに私の姉です」と言ったけれど、香里は「栞なんて知らないし、私は妹はいない」という。その後、栞と祐一はデートをして楽しんだが、いつもは明るい栞が時たまみせるおびえた複雑な表情に祐一はいたたまれなくなる。
その後約1週間くらいしてある栞のクラスメイトであるという少女から栞は1学期の入学式の日に1回来てから一度も学校に登校していないということを聞かされる。2回目の栞とのデートの日、帰り際に学校の中へ行くことになった。栞は思いつめた様子で無人の教室に入り、ここが私の席ですと思いつめたようにぽつりともらした。「お姉ちゃんと同じ制服を着て、一緒にお昼を食べて、遊んで帰る。こんなささいな夢がかなえられることはなかった」と。このデート以降、栞は学校に来なくなった。祐一は明日は来るのではないかと思いながら何日か過ぎていく。そして、香里も学校を休んでしまう。何日かたった夜、祐一は香里からの1本の電話を受ける。その時「私のたった一人の妹、栞の命は1週間後にあるあの子の誕生日までもつかどうか分からない」と香里から衝撃的な言葉を聞かされる。香里はさらに「妹が大好きだから、辛い思いをしたくなかった…。でも栞は私に辛い顔ひとつしないのよ。こんなにつらいならいっそ最初から妹がいなかった方が…」と言って泣き崩れる。祐一は驚きをかくせずに呆然と歩いていると、公園の噴水に栞を見つける。その時栞は「私、祐一さんのことが好きでした。好きになってはいけなかったのに…。でもダメでした。私は何とか1週間だけ学校に通えるようになります。その1週間だけ私を普通の女の子として扱ってください。」と言う。祐一は栞の約束を受け入れることにする。
キャスト
キャラクター | 声優 | キャラクターの内容 |
---|---|---|
相沢祐一 | 杉田智和 | 物語の主人公 |
月宮あゆ | 堀江由衣 | 主人公が北の町へ来た直後に、商店街でたい焼き屋に追いかけられる彼女とぶつかるという衝撃的な出逢い方をする。主人公とは別々の学校に通っている彼女はその後も商店街で何回か出会う。とにかく「うぐぅ」などKanonキャラの中で独特の言い回しが多いのも特徴。前半と後半の展開のギャップが大きく、感動的なラストに魅了される人も数知れない。 彼女の天真爛漫の明るさやお転婆はこっけいで、主人公によくからかわれている。 |
水瀬名雪 | 國府田マリ子 | 祐一のいとこの少女で主人公といっしょに暮らすことになる。ぼーっとして自分の部屋に膨大な目覚ましがあるほど朝に弱く、暇さえあれば寝ているという変わった体質だが、運動部の部長という矛盾した面も面白い。母親の秋子さんをとても慕っている。Kanon界では一番独自語を持っていると。ヒロインであってヒロインでない、ある意味あゆの一番の被害者? 母親をとても尊敬している親孝行な娘。一日の半分以上は睡魔が襲う、朝も当然弱い女の子で普通、幼なじみにある定番の性格(面倒見がよく)を見事に崩した。猫アレルギーなのに猫好きという可愛そうな面をもっている。もうひとつ、真のヒロインをあゆに奪われるなどある意味かわいそうな人物?ある意味5ヒロインの中で一番の犠牲者なのかもしれない。 |
美坂栞 | 佐藤朱(DC版は小西寛子) | 祐一より1年下の女の子。あゆと商店街で出会った後に商店街近くで出会う。病気のため長期にわたり休学しており、主人公とは初めて郊外の並木道で出逢った後、昼休みに雪降る学校のの中庭で会うことになる。名雪と祐一の友人、香里は栞の姉。 冬とアイスクリーム・全長10メートルの雪だるま・小食ながら膨大な量のパフェや弁当と彼女の場合は5キャラの中でミスマッチ性が激しい(いわゆるこれがなければ…というやつですな。)。 純情で根は明るいが、完璧にみえて意外とドジな面がある。時たま見せるさびしげな表情が主人公をいたたまれなくする。彼女の前向きで一生懸命な生き方に男女問わず学ぶべき点も多く、共鳴する人も数知れない。 |
川澄舞 | 田村ゆかり | 舞は祐一より1年先輩の女の子。主人公とは夜の学校で出会う。無口で人の誤解をよくうけ、生徒会からも白い目で見られている。表情がいつも厳しく、夜の学校で剣を片手に毎日見えない”魔物”と格闘している。無口ながら主人公にチョップでつっこむなど主人公祐一や親友佐祐理とのトリプル漫才コンビぶりが笑える。このように性格が”暗い”というイメージはなく、彼女の性格に魅了される人も多い。 |
沢渡真琴 | 飯塚雅弓 | 真琴は記憶喪失の女の子。記憶喪失ながら主人公には恨みだけはあるということは覚えていて、そのまま記憶が戻るまで主人公の家に居候することになる。そして夜な夜な主人公の所へイタズラをしにくるがその程度はいたって幼い。 やることすべてが子供っぽく、主人公になめられている。また、かなり人見知りが激しい。人気は5キャラの中で低迷してあまり人気はないが、僕は真琴ストーリーは魅力ないものとは思えない。彼女を襲う運命に感動させられる。自分が孤独になっていく不安とそれを暖かく迎える家族の物語は秀逸。 |
倉田佐祐理 | 川上とも子 | 祐一より1年先輩の女の子。舞の親友で生徒会役員もつとめたことのある超お嬢様。舞の大親友で舞の一番の理解者。会話は常にですます調で話す。まじかる☆さゆりんなる魔法少女チックなイメージをもつ彼女は、ほがらかでほのぼのとしていた性格でいたってマイペース。どことなく名雪を連想させるが、そうではない。ぼーっとした感じがまるでなく、ある意味完璧な”女性の鏡”ではないだろうか。 |
水瀬秋子 | 井上喜久子 | 名雪の母親兼水瀬家の大黒柱。「了承(1秒)」の一言であっさり片付けてしまうある意味すごい人。名雪も恐れる謎ジャムを開発した人物。スキがない・・・。 |
北川潤 | 川澄綾子 | 主人公、祐一の男友達だがKanonの中で一番影が薄い人物。祐一のつっこみ役でもある。 | 美坂香里 | 川澄綾子 | 栞の姉で、クールな性格。名雪のボケのつっこみ役。 |
久瀬 | Kanonキャラでは悪者をあげるとすれば彼くらいだろう。佐祐理さんを利用し、舞を怒らせた張本人。生徒会の権力濫用者。彼のとる行動が、同時に舞と佐祐理の友情をより深めさせた。 | |
倉田一弥 | 佐祐理の亡き弟。佐祐理が敬語を使用するほどの悲しい思い出にさせてしまった。 | |