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私とSAKURAさんとの出会い

「よろしくおねがいしまーす!」

小柄な女の子の声が事務所内に響き渡る。
この少女は、CM等のモデルとしても女子高生からの人気も高い存在。男女分けへだてなく学生の間から支持されたアイドルである。

この少女の名前は「佐久間すず」。
顔が小さく・足が細いという抜群のスタイルプロポーションであり、今注目のアイドルの卵という存在であった。

これは「ママレード・ボーイ」というアニメの1シーン。私はたまたま、朝、早起きをして「ママレード・ボーイ」を見ていて、当時かなり人気のあった「ママレード・ボーイ」(原作:吉住渉、りぼんマスコットコミックス)という作品を知ります。

「ママレード・ボーイ」のヒロインの高校生、小石川光希を演じていたのは当時、声優界でもヒロイン役として人気のあった國府田マリ子(愛称、マリ姉)。当時は、少女漫画ブームで、「ちびまる子ちゃん」「赤ずきんチャチャ」など様々な少女漫画がアニメ界に進出していた。今のように、16話構成ではなく、1年くらいの長期放送が当たり前の時代、「ママレード・ボーイ」も1年以上という長編アニメになっていました。

このアニメでも、私は色々な声優さんを知ることになるのですが、そんな中、アイドルではあるが、まだ卵のような存在で、比較的子供っぽく、しかしながらちょっと小悪魔の部分もあるというコロコロとした可憐さ・無邪気さも持ち合わせており、ヒロインの光希(CV:國府田マリ子さん)の恋のライバルでもあった女の子、佐久間すずちゃんの声を出している声優さんもこのアニメで知った声優さんの一人です。


この少女を演じていたのがSAKURAさんです。
SAKURAさんにとって初めてのレギュラー作品であり、SAKURAさんご自身のデビューソングも「ママレード・ボーイ」の「エンジェル」という曲でした。


SAKURAさんがこの作品で歌手としてデビューし、その後、自分で作詞作曲して数多くの歌を発表している。現在も、ネットで癒し系歌手として今に至っている。そういう意味では「ママレード・ボーイ」という作品は彼女の人生でも大きな役割を果たしていたのではと感じてしまう。


当時の私が抱いていたSAKURAさんのキャライメージは下のような女の子です。

  • ノーテンキで明るくお転婆ゲンキ少女
  • 小悪魔的色が強い女の子
  • 少々勝気な女の子
  • 人見知り激しい女の子




はっきりと意見は言うけど、「子供」から脱却できていない女の子って言う意味では、これが彼女のキャラの土台であったのかと思います。

声の感じは私が当時好きだった声優「かないみか」さんに似ているというものもありました。かないさんと声質がよくにている部分があり、今でも時たま2人を混同することがあります。

で、私が当時彼女に抱く印象はどうだったかと言いますと、恋敵というキャラニュアンスが非常に強いキャラでした。
特に國府田マリ子さんを主人公に設定した場合、恋敵になりえるなって感じをもっていましたね。

それは、こういう理由があるのです。
「ママレード・ボーイ」をご存知の方の場合お分かりと思いますが、SAKURAさん演じる佐久間すずちゃんは、國府田マリ子さん演じる小石川光希の恋敵のひとりでもあったのです。小石川光希は物語のヒロイン。光希の彼氏、松浦遊(CV:置鮎龍太郎氏)が大好きで、自分より小石川光希を選んでいるのかが合点がいかないと思っている女の子です。
上でも書いたように、光希さん演じる國府田さんは当時はヒロインの代表格でしたから、SAKURAさんという存在がこのアニメではどういう風に映ったのかもある意味注目です。
しかし、すずちゃんは、完全な悪者ではなく、最後には光希と遊の恋仲に自分が入れないというのを自覚するのですが、でも、彼女のキャラの中では小悪魔的で、積極性が強く、まさにすずちゃんのパワーは主人公の光希を圧倒していましたね。


そんなイメージを「ママレード・ボーイ」本放送中、久しぶりにNHKで同じ時期に放送されていた「忍たま乱太郎」を見たんです。で、このアニメのキャスティング配列を見て驚きました。ユキ役が丹下桜さんに代わっているのです。
実は、上でユキの2代目が丹下桜さんって書いてありますが、この初代を演じていたのが実は國府田マリ子さんだったんです。
「光希を圧倒しているすずのパワーが、こういうところでも・・・・。」っていうことは絶対ありえない話ですが(笑)、「きんぎょ注意報!」のデビューを機にすざましい活躍をされておられる國府田マリ子さんについてどちらかと言えば、好印象を持っていた私にとって偶発とはいえ、この「忍たま乱太郎」のキャライメージが「ママレード・ボーイ」の「光希を圧倒するすずちゃんパワー」のイメージがどうも強かったですね。

しかし当時の私は、どちらかというと、妹的な存在の小悪魔的な女の子を演じたらうまい声優さんだなっていう感じがあっただけで、SAKURAさんへの関心はそれほど強いものではありませんでした。


CCさくらとSAKURAさん

「ママレード・ボーイ」が終わって、しばらく私の中から丹下桜さんの存在が薄くなっていっていた中、彼女が主演の「カードキャプターさくら」という番組がスタートしました。
実は、前番組が私が好きな作品のひとつ「あずきちゃん」であったため、番組が放送終了し、後継番組として「カードキャプターさくら」がスタートしてこの番組を見ることになったのです。私もこのアニメは前回の「あずきちゃん」の影響で初回から見たのですが、何と木之本家が「ママレード・ボーイ」の声優色が強いことかというのが第一に感じました。主演のさくらがすずちゃん役のSAKURAさん、ケルベロスが亜梨実役の久川綾さん、お父さんが小石川仁(光希のお父さん)の田中秀幸さんと数えるだけで3人もいるんです。

でも、この時のSAKURAさんの役付けは文字通り主役のヒロイン。すずちゃんみたいなパワーもどことなく見せるものの、やっぱり純情なキャラクターがウリの女の子を見事に演じきっていましたね。
ただ、「普通の恋愛モノ」が好きな私は、美少女戦士ものが私が苦手なジャンルでして、どちらかというと、美少女戦士モノに該当する当該番組には少し抵抗があったのですが、SAKURAさんをはじめとする「ママレード・ボーイ」や「あずきちゃん」の出演キャラが結構多く出演されていたし、ほのぼの度も高い作品であったのでしばらくこの作品を見ることにしました。でも、やはりSAKURAさん演じる木之本桜というキャラは本当に可愛くて、すずちゃんのイメージとは少し違った素直な性格の女の子を見事に演じているSAKURAさんの演技力にキャラもろとも、次第に好感を覚えていきました。すずちゃんにあった、勝気、小悪魔的なイメージはほとんどないものの、すずちゃん並の元気なパワーをどことなく見せてくれた桜ちゃん。
「カードキャプターさくら」の木之本桜というキャラは私のSAKURAさんの演じるキャライメージが「恋敵キャラ」から「純情キャラ」へと移行していったのは事実です。


ベストアルバム「SAKURA」との出会い

このアニメの存在で、彼女に少し興味をそそられた私は、2001年がもう終わろうとしている、年末のある日、レンタルショップで彼女のベストアルバム、「SAKURA」というアルバムを手にします。「虹の広場」を開設した後であるから、この当時、SAKURAさんは声優界をもう既に辞めていた時のことです。

最初はそんなにインパクトがなかったんですが、繰り返し彼女の歌を聴いていると、だんだん彼女の歌が私にインパクトを与えてきました。とにかく優しく勇気を与えるメロディラインは本当に久しぶりに好感を持つ曲でして、何というか、安らぎを与える彼女の音色は、本当に絶賛モノで、キャラではなく、SAKURAさんという人物その人に対するファン意識をこの時心に芽生えさせたのは事実です。

そうして、その後、SAKURAさんという人物をファンになりかかってきた意識で改めて「カードキャプターさくら」の主人公の木之本桜というキャラを見て木之本桜さんのファンになってしまいました。


純情です。彼女は・・・。一番このキャラに惹かれたのは、やっぱり本来の丹下桜さんが持っている優しさを共有していることでしょう。
喜怒哀楽さはもちろんなんですが、純情なのはもちろん、自分一人で頑張ってしまう彼女の姿は、とても健気で・・・。
あとは元気いっぱいでおしゃべり好き。これはポイント高いでしょう。

声優さんにはそれぞれ、リアルに近い感じのアニメキャラクターがいると思うのですが、私は「カードキャプターさくら」の木之本桜というのは彼女に一番近い役柄ではなかったのであろうかと後になって思います。
「癒し」をモットーにしているSAKURAさん。思いやりをもつことを常に心がげ、相手に元気を与えることで生きがいを感じているSAKURAさんはに一番近いアニメキャラクターを挙げるとすればやはり「木之本桜」ではないでしょうかね。

メッセージセラピー

だんだんと彼女の歌の意味を理解していくと、彼女の歌にはある共通した共通した理念があります。それは「メッセージセラピー」という意味です。

「セラピー」というのは一般には「治療」っていう意味なんですが、彼女の描く「セラピー」は傷ついたり、行き詰ったという困難状態において「心のケア」をすることで「安心感を与える」というのを目指されているそうです。

SAKURAさんがリルパパこと、作曲の前澤ヒデノリさんとの二人三脚で作られている歌は、恋・応援・勇気などさまざまなテーマの曲がありますが、声優時代を通じて、ハードな曲や、アイドルっぽい曲は彼女の曲にはありません。それは「癒し」をモットーにしたメッセージセラピーを念頭にした曲だからです。

彼女が声優、「丹下桜」としての公式ホームページで公開した最後のメッセージにこういうのがあります。

もともと私は声の表現で、ほっとなごむ何かとか空間とか時間とかパッケージとかを作りたいと思っていました。(中略)今後はたぶん、いままで「芸能より」だったお仕事が、いやし系の「医療より」の活動になってゆくと思います。でも、私は声のお仕事というか、声の表現はずっとずっとこれからライフワークとしてやってゆくつもりです。(丹下桜のサイバー日記:Page-40より抜粋)

丹下桜さんが目指すセラピーは心理的な安心感を与えること。これが丹下桜女史の目指す「メッセージセラピー」です。
この曲に対する彼女の姿勢や音色・そして彼女が目指しているものに私はものすごく共感を覚えました。
そして、丹下桜さんが声優業を休業されて以降にファンとなって、現在に至っています。
実は公私通じて公式ファンクラブに入るには初めての試みでしたが、数ヶ月間悩んだ末、思い切って2003年12月に丹下桜さんの公式ファンクラブに入会しました。
いままで、いろいろな声優さんのファンになったことがありますが、公式のファンクラブに入るほど熱烈なファンになったというのは初めてです。丹下桜の一ファンとして公式ファンクラブに入ったというのはある意味彼女の考えに素直に共感していけると感じたからだと思います。

私が丹下女史が好きなのは、確かに声もコロコロと可愛くて大好きなんですが、こういう丹下女史の姿勢に憧れているというのもあります。歌も本当に癒されるものが多いです。
例えばAngelユニットで発売されているSAKURAさんの代表作、「CHEER」という曲は、勉強や試合を「応援する」という気持ちを込めて書いたものらしいです。